表具処 軸源(ひょうぐどころ じくげん)は、初代である津口秋好が大阪での丁稚修行を経た後、故郷の因島にて1940年に始めた津口表具店がその出発点となります。
掛軸や額装、襖や障子の張替えなど表具の仕事は、美術品や家宝などお客様が大切にされているものを扱う、繊細で根気が必要とされる地道な作業です。そういったお客様のお気持ちにお応えし、ご満足頂けるよう、これまでも、そしてこれからも、誠心誠意一つ一つのご依頼に向き合っていく事が大切であると考えています。
お客様に「軸源に頼んで良かった」と思っていただける仕事を目指しこれからも精進していきたいと思います。
1931年(昭和6年) 初代 津口秋好が表具技術習得の為、大阪にて丁稚修行を始める
1940年 故郷因島で津口表具店を開業
1960年 向島にて仕事を再開、この頃出始めたクロス張りの技術を習得
1973年 2代目 津口知幸が表具の仕事を始める
1987年 東大寺長老・清水公照師〈春夏秋冬しおり展〉の全表具を担当する
鳥取県みささ美術館主催
軸源おりじなる表装展―表具は細胞膜です―を開催
2001年 東大寺元管長・清水公照師の3回忌展を行う
尾道・おだ画廊にて
2002年 軸源フレームシリーズ2002―あまりにも細胞膜的な―を開催
尾道・孔雀荘にて
2003年 軸源フレームシリーズ2003を開催
尾道・孔雀荘にて
2005年 軸源フレームシリーズ2005―境界めぐる物語―を開催
尾道・福屋ゲストルームにて
2007年 軸源フレーム展<漆和紙と表具>展を開催
尾道・福屋ゲストルームにて
2008年 軸源フレームシリーズ2008―軸源の表具日記―を開催
尾道・孔雀荘にて
2012年 3代目 七生が表具の修行を始める

幼少期より絵を描くことに興味があった初代 秋好が、絵画を学ぶ機会もあるという表具の仕事に、尋常高等小学校を卒業後、大阪へ丁稚修行に出た事より軸源の歴史は始まりました。
7年の修行の後、故郷の因島で、同じ丁稚先での先輩が営む表具屋で2年程働き、その後独立、津口表具店を因島・土生町にて開業しました。

しかしこの頃第二次世界大戦が始まり、秋好は出兵の為、店を一度離れます。二度にわたる兵役の中、終戦を迎え、無事帰還した秋好は店を再開しましたが、戦後の混乱の時期、表具のほかにも様々な仕事をしながら本格的な営業再開を目指します。

丁稚時代の初代 津口秋好

戦後も落ち着き高度経済成長に入っていく1960年代初頭、大阪での半年の習得期間を経て、新しくクロス張り(壁紙)の技術を地域でいち早く取り入れ、若い職人たちにその技術を伝授するなど、クロス張りの草分けとなりました。

1966年、福山城改築の際、天守閣壁面の金紙施工に指名されるなどし、表具店としての新たな一歩を歩みだしました。

向島の作業場にて
大阪芸術大学でデザインを学んだ2代目 知幸は、クロス張りや襖、掛軸を学びながら、時代に合ったオリジナル表具の作製に力を入れてきました。

1987年、東大寺長老・清水公照師<春夏秋冬しおり展>で全表具を担当させて頂いた事で大きな飛躍を得、これまで10回を超す作品展を行い、好評を頂いてきました。

個展の案内状
手掛けたパネル額と2代目

近年、従来の建築様式が大きく変化した為、表具業界でも跡継ぎ問題が課題となってきていました。表具の伝統技法を伝える為、また、表具の魅力を皆様にお伝えする事が出来ればと、2012年に七生が3代目の修行を開始しました。

父から子へ、子からまたその子へ。時代の流れ・変化を受けとめつつ、伝統的な表具の技法を受け継いでいきます。

表具処 軸源
〒722-0062 
広島県尾道市向東町1222-50
TEL 0848-44-2249