尾道の表具処 軸源です。
今回もふすま張替えの紹介なのですが、少し珍しい着物(の帯)を使いデザインした張替え事例となります。
タンスに眠っている着物などは捨てるには忍びないが着るわけではないしどうにも…という声をよく聞きます。
軸源では以前から写真額の表装に使ったり襖にデザインして張り込む、といった感じで生活に根差した着物の再利用を提唱しておりました。
この事例のお客様も、形見の着物をどうしようかというご相談から始まり、どうせやるなら変わったデザインにしてほしい!とのご提案を下さいまして、少々時間はかかりましたが先日無事納品に至りました。
廊下の突き当りに半分だけ見えている状態と、円形にまとめた全体図です。色々と案はありましたが、帯の刺繍が引き立つようできるだけシンプルかつシンボリックなデザインにまとまりました。
周囲には表具裂の金襴をあて輪郭線としております。
こちらは別の部屋で、あちらが満月のイメージとすれば…という発想から三日月状に。それだけだと下地の襖紙と同系統の色合いということもあって少し目立ちにくいので、欠けた部分に表具裂のしけをあてております。満月タイプのものとの差別化を狙い多少暗めのトーンにまとめ、こちらは周囲の輪郭に筋を取らない事で自然にそこに浮かんでるイメージという感じに仕立てました。
着物に限らず、「これを使って何かしたいけどどうすればいいかわからない…」とお悩みがありましたら、ぜひ軸源にご相談下さい!